2017年 04月 28日
湯がきあがったら後は皮を剥き、煮るなり、焼くなり、揚げるなり色々な調理ができます。湯がきあがりをそのまま、刺身にするのもおすすめです。竹の子の穂先の上部はたんぱく質やB12が豊富ですし、逆に甘みは下の株のほうが豊富です。歯ごたえもあります。
塩などつけて召し上がってはいかがでしょうか?和食なら、炊合わせや煮物がおすすめです。特に竹の子に含まれるアミノ酸のチロシンは若芽などの昆布類と相性がよく、春の出会い物として有名です。この場合、昆布だしと血合い抜きの鰹節で出汁をしっかりとり、調味料は少な目にします。竹の子の糖質と昆布の成分がお互いの味を引き出すからです。また、チロシンは魚卵とも相性がよく、和え物では明太子やカラスミなどおすすめです。洋食ではチーズやナッツ類、鶏肉とも相性がよく、スパゲッティやピザ・グラタンの具材にされてもいいですね。また、すりつぶしハンバーグの具材にするのもいいでしょう。注意するのは湯がいたものを使用すること竹の子を保湿して、早めに調理することです。
以上、誠に簡単ですがこれがここ近年に調べました竹の子の栄養や調理に関する最新情報です。私は、低カロリー、高タンパク質、食物繊維の豊富な竹の子は現代の食品素材のアイドルだと思っております。竹になる前の子どものうちに土の中で大切に育て、才能を伸ばし、相性の良い仲間とグループをつくり、早めに食卓デビューさせるのです。ぜひ、老若男女の皆様に愛されるように竹の子を明るい食生活にプロデュースしてはいかがでしょうか?
終わり
※この文は平成29年4月1日に 「あかるい食生活」 に掲載されたものです。著作者は 株式会社うお嘉 小松嘉展。
無断での文章や写真の転用はお断わりします。
2017年 04月 26日
さて、この栄養豊富な竹の子をいかに選び。良い状態で調理するかお話をすすめていきましょう。まず、調理する前に良い素材を目利きすることが大事ですね。竹の子はなるべく、栽培管理された鮮度の良いものを選びましょう。鮮度の良いものは下の部分が瑞々しいものです。そして、穂先の部分が白いものをえらびましょう。竹の子の劣化の要因は光を浴びると栄養成分のチロシン等が24時間~36時間の間に代謝を起こしホモゲンチジン酸やシュウ酸を増加させるからです。穂先の部分がすでに緑色しているものは竹の子がとられる前に光にあたり代謝が始まっている証拠です。そして、傷のないものを選びましょう。傷があるとそこから、劣化が進みます。形も大切です。使用用途や料理方法によって変わってきますが、栽培された竹の子は細長く痩せたものは避けましょう。土壌の栄養が行き渡っていないものが多いからです。もっとも食物繊維がとるのが目的なら細くてもいいですね。
以上、竹の子は光をあてずに、鮮度の良い取れたてたものを早めに調理して、食すことが大切です。竹の子を掘り起こし12時間以内に調理することをおすすめします。食通で有名な魯山人も「竹の子は竹林(現地)に行って食するべし」と申されております。
2017年 04月 25日
あかるい食生活 さて、竹の子の栄養についてですが、ただ単に栄養価を記すより馴染みの深い他の野菜と比較してみましょう。まず、竹の子(ここからは孟宗竹を竹の子と呼ぶ)とトウモロコシを比較してみましょう。表の通り竹の子はトウモロコシより100グラムあたりのたんぱく質の含有量が多く、やる気が出る成分とよばれるチロシンやアスパラギン酸といったアミノ酸含有量が高いのです。また、玉ねぎと比較してもたんぱく質は約4倍、炭水化物(でんぷん)、脂質はほぼ同じぐらいあり、血色をよくする成分とよばれるB12の含有が多いのです。そして、なにより特質すべき栄養成分は食物繊維の含有量の多さであります。玉ねぎの含有量の2倍の繊維質があります。近年、日本人は欧米の食事スタイルになり、大腸がん率が増加しています。要因のひとつに食物繊維不足があげられます。竹の子を食して食物繊維を吸収し、便秘や大腸がんの予防になるものなら、薬いらずの貴重な食材です。
以上のことをまとめるとやる気がでて、血色よくなり、お腹がすっきりする栄養成分が竹の子にはトウモロコシや玉ネギ以上に豊富に含まれることになります。そして、野菜ですので低カロリーです。しかし、それなのに国内の竹の子の消費量は年々低下傾向にあるようです。特に若者が竹の子を食することが減ってきたのが低下の大きな要因だと言われます。五月病や引きこもりの若者にはぜひ、春の竹の子を食して、その栄養を吸収して欲しいものです。
つづく
2017年 04月 24日
今でこそ外国のお客様が京都まで足を運んで頂き、竹の道を観光し、竹の子料理を召し上がって頂いておりますが、戦後、アメリカの駐留軍の将校に喜んでもらおうと晩餐会で竹の子料理を出したときに、喜ばれるどころか「竹を食べさせられた!」とクレームがあったそうです。当時、欧米では竹自体に馴染みがなく、竹の子を目にされたこともなかったからでしょう。
竹の子が食用で、美味しくいただけることをアジアの国の方なら皆さんよくご存知です。中華料理やラーメンの具材などにみかけますよね。でも、竹の子の種類や栄養分の知識はいかがでしょうか?胸をはって明解にお答えなれる方はどれくらいおられますか?実は私も胸をはることはできませんでした。いろいろな大学の先生方に教えを乞い、御教示いただいた経緯がございます。
まず、竹の子の種類ですが、国内の流通しているほとんどが孟宗竹(モウソウチク)という種の竹の子です。ちなみにこの孟宗竹は外来種の竹で中国から日本へ海を渡りはいってきたものです。入ってきた時期は所説ありますが、孟宗竹は明治時代以降、食用竹として推奨され、九州や四国、太平洋側を中心に温暖なエリアで増加してきました。この孟宗竹は他の種の竹より寒さに強く、九州では11月から竹の子がでて、春に最盛期を迎え、京都では3月から5月の終りごろまで竹の子をだしていきます。あと食用では初夏に竹の子をはやす、淡竹(ハチク)や真竹(マダケ)などがあります。後者の真竹は食用というよりは竹材としての価値があり、あまり一般には出回りませんので、食用としては紹介されないことが多いようです。また、山菜として有名なネマガリダケ(チシマザサ)も笹属ですが、食用竹の子の種類です。信州では姫竹とも呼ばれます。あと、最近、台湾から入ってきた緑竹(リョクチク)など鹿児島エリアで栽培されています。とても甘みの強いものです。秋にでる竹の子として珍しい四方竹(シホウチク)などもあります。海外の竹の子で馴染みのあるラーメンの具のメンマは中国の麻竹(アサチク)を原料にしております。そのほか希少種の国内竹の子も数種ありますが、食用として全国の食卓に出回るものはほとんどありません。
食用竹の子の生産量に関しては孟宗竹の独壇場ですが、この孟宗竹の同種の竹の子でも栽培されたものと非栽培のものがあります。東京の高級デパートで売り出される京都の白子と呼ばれるものは京都式軟化栽培によって大事に栽培、生産されたものです。ここでいう栽培物とは竹藪ではなく竹の子畑と呼べる竹林で、施料、除草、シンとめ、古い竹の間伐や土壌への敷き藁や葉をし、客土(土入れ)などをして管理され、出荷されたものです。竹の子畑からとれた竹の子は肥沃な土壌から栄養分を吸収し、甘みが強く、苦味がなく、柔らかく非栽培の竹の子より高価に流通、販売されています。また、同じ竹の子畑からとれたものでも、時期や雨などの天候や環境により大きさや形状や硬さや甘味など個体差があります。前述の「白子」は天候・土壌、・栽培管理の3拍子揃った奇跡の竹の子と呼んでもよいものです。だから、大事にされて高値で求められるのです。
つづく
2017年 04月 04日
4月に入りましたね。
今年の京都はまだ桜が満開ではありません。
例年より1週間は遅くなるとのこと。
せっかくお花見に京都に来られても花より枝見になっておられます。
桜だけなく、竹の子も寒さのためか春を忘れておる様子です。
例年より採れ高も少なく、農家の方も不作年かとこぼされています。
不作とっいっても出来が悪いたけのこがでるのではなく、例年より量が少なく、値段が高いこと意味します。
今年の竹の子はどんな様子ですか?と尋ねられたら不作というより
「全ては自然のままに。」というほうが風情があるかもしれません。
もう少し暖かな日が続けば、桜も満開になり、竹の子もたくさんでてまります。
辛抱のできる心に花は咲き、竹の子はおいでになるのでしょう。
合掌
莞鳴