京都五代目 たけのこ見聞録 その2
2017年 04月 25日
あかるい食生活 さて、竹の子の栄養についてですが、ただ単に栄養価を記すより馴染みの深い他の野菜と比較してみましょう。まず、竹の子(ここからは孟宗竹を竹の子と呼ぶ)とトウモロコシを比較してみましょう。表の通り竹の子はトウモロコシより100グラムあたりのたんぱく質の含有量が多く、やる気が出る成分とよばれるチロシンやアスパラギン酸といったアミノ酸含有量が高いのです。また、玉ねぎと比較してもたんぱく質は約4倍、炭水化物(でんぷん)、脂質はほぼ同じぐらいあり、血色をよくする成分とよばれるB12の含有が多いのです。そして、なにより特質すべき栄養成分は食物繊維の含有量の多さであります。玉ねぎの含有量の2倍の繊維質があります。近年、日本人は欧米の食事スタイルになり、大腸がん率が増加しています。要因のひとつに食物繊維不足があげられます。竹の子を食して食物繊維を吸収し、便秘や大腸がんの予防になるものなら、薬いらずの貴重な食材です。
以上のことをまとめるとやる気がでて、血色よくなり、お腹がすっきりする栄養成分が竹の子にはトウモロコシや玉ネギ以上に豊富に含まれることになります。そして、野菜ですので低カロリーです。しかし、それなのに国内の竹の子の消費量は年々低下傾向にあるようです。特に若者が竹の子を食することが減ってきたのが低下の大きな要因だと言われます。五月病や引きこもりの若者にはぜひ、春の竹の子を食して、その栄養を吸収して欲しいものです。
つづく