春 竹の子を三度味わう
2014年 03月 23日
3月6日、啓蟄は地面に地中の虫が顔を出すことを意味する日。
しかし、今年は地中の虫も驚く寒さ。おまけに雪。大雪・・。
でも、春の足音こそはしないが、地中の中では春は少しずつ近づいている。
そういえば、昔、「食通の方は春に3度 京都の竹の子を食する。」と、うお嘉の先代の亭主から聞いたことがある。
沈丁花の咲くころの3月、
桜の散るころの4月、
そして、つつじの咲く5月ごろ。
竹の子にもそれぞれ呼び名がついている。
3月は「はしりの竹の子」であり、
4月はまさに「旬の竹の子」であり、
5月「なごりの竹の子」と呼ばれる。
それぞれ 食べる趣きがちがう。
「はしりの竹の子」は寒い冬の中育ったため、少しかたく、しまっていて4月のものほど甘くはないが、風味があり、滋味がある。
これから春を迎える我々の体にあうのだそうだ。いまどきでいうデドックス効果のようなものなのだろう。
4月はまさに 竹の子のやわらかさも甘味のあり、全てにおいて申し分ない「旬」の竹の子の味わいがある。
うお嘉でも4月のころ、日本全国はおろか、世界の食通が足を運ばれている。
京都の竹の子が一番たくさんとれる時期でもあり、竹の子堀りの風景がみられてうれしい。
5月は「なごりの竹の子」とよばれ、みずみずしい、シャリッとした食感を楽しむという。
名残り惜しいという意味でついた呼び名であるが、
このころの竹の子は1日で1メーター以上伸びるといわれ、その成長に必要な成分が3、4月のもの以上に豊富だ。
「なごり」どころか五月病によい食べものといわれている。
私もそのいわれを科学的に知りたく、大学の研究室にまで押しかけたことがある。
チロシンという成分が5月の竹の子には多く含まれ、このチロシンがタンパク質とあわせてとると、脳内でドーパミンを発生させやすくするという。
ドーパミンは脳内で発生すると興奮したり、やる気がでるとのこと。(←詳しくは脳科学者におききください。)
端的にいうと竹の子とタンパク質をとると「やる気」がでて、五月病にならず、梅雨や熱い夏にそなえることができることができるのだそうだ。
春に3度竹の子を食すことは、次の季節にそなえるために良い習慣のようです。
まさに食通とは「医食同源」を熟知したるものなのですね。
さっそく、私もマネしてみます。
沈丁花が咲いたので、
まずは、はしりの竹の子をGETしに走りました。
自分の体のためにもいただきます。
皆様も竹の子でお体ご自愛くださいませ。
合掌
たけのこ大使(?)莞鳴