竹の子はなぜ湯がくの?
2016年 04月 01日
先月、某TV番組で竹の子のあく抜きに米ぬかでなく、大根おろしを使用するべきだと
料理人の大家である野崎さんがおしゃっていたが、すべて正しいとは限らない。
私は個人的に野崎さんは好きな料理人だが、こと竹の子においては竹の子大使として一言ある。
竹の子のアクの8割以上はホモゲンチジン酸の代謝からくるもので、シュウ酸ではない。特に良い竹の子にはシュウ酸は皮以外ないといえます。
このホモゲンチジン酸は熱によりその代謝を抑えることができるので、たけのこは適度な温度で湯がく必要があるのである。
その際に 竹の子は野菜なので、湯がく際にデリケートに温度を上げ下げの必要がある。
人間だって急に熱い湯に入ると心臓麻痺や湯あたりしてしまう。真水の一番湯は体に良くないといわれる。
米ぬかはその湯あたりや急激な温度変化を竹の子に与えないような入浴剤や温泉効果があるのである。
また、たけのこのアクを米ぬかの殻に吸収して、湯がく水が冷めても浸透圧で素材の竹の子に戻さない効果もある。
ちなみにあく抜きを大根おろしで試した方は竹の子に大根のからみが移り、竹の子の風味が飛んでしまったのではないでしょうか?
(大根のおろし方を間違うと辛い大根おろしになりますよ。)
大根のおろし方には注意することをTVは伝えていませんでしたね。竹の子はその性質で湯がく水を吸い込みます。辛みのある大根ではその辛みを竹の子が吸収しますので、ご注意ください。(大根のおろし方を間違うと辛い大根おろしになりますよ。)
その点でも米ぬかの汁は竹の子に程よく風味を邪魔しません。また、米ぬかの酵素は竹の子の肌に良い影響を与えます。
湯上り美人の竹の子には米ぬかの酵素風呂が適しております。
野崎さんにこのことをお伝えしたいものです。
竹の子大使 莞鳴
写真提供:うお嘉 四代目:小松弘一良