たけのこ (筍) 料理の店 京都 うお嘉

〒610-1121 京都市西京区大原野上里北ノ町1262
営業時間 : 11時30分~22時00分(入店は20時まで)
定休日 : 月~木曜日の間で不定休

たけのこ日記


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たけのこ(筍)にまつわる事柄やうお嘉での日々の出来事を徒然なるままに書き留めていきます。

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たけのこの秘密成分?

アジサイも綺麗に咲いています。

夏至も過ぎ、

梅雨明けもそろそろの気候。

夏バテには要注意です。

さて、竹の子の水煮を見ると中に白い粉みたいに竹の子につています。

カビ?と思いきやこれはチロシンといって竹の子のもつ成分なのです。

実はこのチロシンは脳科学的には大事な成分だそうです。

チロシンはアミノ酸の一種で感情や精神機能、性的衝動を脳内でつかさどる重要な神経伝達物資であるドーパミンやノルアドレナリンを助ける成分だそうです。

うつ病や慢性疲労に効果があるのではないかと研究がすすんでるくらいです。

現代病の5月病(さつきびょう)に竹の子が効果あるとは断言できませんが、その時期にでる自然のものには

人間の体に必要な成分が含まれるといいます。

季節感のない時代ですが、季節の旬をとることが体にもいいのかもしれません。

6月には真竹が採れます。きっと夏の準備に必要なチロシンを含む成分がふくまれているのでしょう。

節電の叫ばれるこの時期、暑さ対策は体の内部にも気を配り、

食事のこともバランスよくとりたいものです。

 

莞鳴

たけのこ(筍)界の御三家!!

衣替えの時期ですね。
昼間には半袖の方が目立ちます。
梅雨時期ですが、割合と心地よい風が吹きます。
京都でも真竹が登場しました。
前回紹介したハチクのたけのこの後に登場する真竹のたけのこは初夏の訪れを感じさませます。

孟宗竹のたけのこは外国から入ってきた外来種ですが、この真竹は古来から日本にあった在来種といわれています。

奈良時代の文献にたけのこの表記があるのですが、この真竹のものだろうといわれています。

味は孟宗ほどでなく、ハチクに近いですが、繊維質が強くなく、皮は黒ですが、中身の色は白いですね。

古代ロマンの香りが感じられる真竹は6月上旬の短い間にしか食せません。

ある意味、希少さは3種のなかで一段上と思います。

 

孟宗、はちく、真竹 はたけのこ界の御三家と呼びたいですね。

莞鳴

たけのこ(筍)界の銀メダリスト?

なんの世界でもトップは目立つもの。

スポーツの世界でもトップの成績を残すと賞賛されます。

1番になった金メダルの選手はマスコミでの扱いやその後の生活までかわるといいます。

逆に2番の選手は僅差の実力でもその名は金メダル選手より先に忘れ去られます。

金メダル選手にくらべ、印象が薄くなるからでしょう。

さて、たけのこ(筍)においてもその傾向は同じようです。

食用のたけのこの中で1番の金メダルはご存知、孟宗竹のたけのこです。

皆さんが召し上がるものはこれですね。味において、断トツのトップです。

では 2番はなんでしょう?

メンマ(麻竹)もありますが、ここは ハチクのたけのこ(筍)を推したいですね。

5月後半にでるハチク

ハチクは5月中旬から5月末に採れるたけのこ(筍)で、

孟宗のたけのこ(筍)より繊維質があり、かたい食感。

こちらの方が孟宗より好きだという方もいます。

通はイブシ銀を好むといいますが、その傾向はたけのこ界にもあるかもしれません。

このハチクは破竹と書きますが、「破竹の勢い」という様にこの時期にどんどんでて、育ちます。

短期間で一度にでて、大きくなるその勢いがある様からきてるのでしょう。

これからの梅雨に向かいハチクを食して ハチクのごとくの勢いで頑張りたいものです。

莞鳴

湯がいたあとのハチクのたけのこ(筍)

名残のたけのこ(筍)と御礼肥え

3月から続いた春のたけのこ(筍)シーズンも終わろうとしている。

5月中旬の頃のたけのこ(筍)を名残りのたけのこ と呼ぶそうだ。

名残り惜しむといった風情が感じられる。

名残りのたけのこ

                          

私の知り合いの農家の方も5月15日にはたけのこ堀りを終了された。

堀りが終わりやれやれとされたでしょうと声をかけると、

「なにをゆーとる。ここからが大事なんや」とお叱りをうけた。

農家の方はこの時期、来年に向けた大事な作業にむかう。

まずは 今年残した親竹の育ち具合をみさだめる。

周りからでる細い竹の子を伐採する。たけやぶの掃除といわれている。

そして、なにより 御礼肥えをすることが肝心だといわれている。

この作業は竹の子農家(竹林農家と呼ぶらしい)しか、知らない目立たないが大切な作業だ。

田植えの時期と重なり、時間を割くのが難しいとこぼす農家の大将。

たくさん良質のたけのこを生み出した土地に御礼の気持ちを込めて肥え(有機肥料)をまく、

掘りこした場所に特に丁寧にまく農家の大将。

「これが良いたけのこ(筍)を育てる秘訣や。」

御礼肥えの中身をそっと教えてくださった。

中身は企業秘密(?)なので口外できないが、いつか許可をいただこうと思っている。

御礼肥えのききめは来年の春にわかる。

楽しみだ。

莞鳴

母の日に竹の子を贈る

いつの頃だろうか「母の日」という日ができたのは?

花屋ではカーネーションがたくさん並べられる。

商業的な感じがするが、「母の日」を無視することもできず、

何かプレゼントになるものが無いかと頭をめぐらす。

あ、そうだ竹の子。

そういえば、ご存知の竹の子の種類は孟宗竹(もうそうちく)なのですが、

名前の由来を知る人は意外に少ないので驚く。

                                

戦前に教育を受けた方や落語や三国志を好きな方はよくご存知だ。

「二十四孝」という、忠孝のエピソードを集めた道徳の本に孟宗竹の竹の子が登場する。

といっても竹の子が主人公でなく、孟宗という母親おもいの青年が主人公である。

                                           

母ひとり、子一人の貧しいが、親子仲むつまじく暮らす孟宗は

幼い頃から母を楽させようと、勉学に励み、出世することを目指す苦学生。

親孝行な孟宗に対して、母は負担にならないようにと気をつかい、

無理な仕事をして病の床につく。

看病する孟宗が母親に何か欲しいものはないかときく。

余命長くないと悟る母親は 死ぬ前に 竹の子 を食べたいという。

しかし、時期は春でなく、雪積もる真冬。

近所の人々が止めるのもきかず、竹の子を探しにいく孟宗。

母のために雪山をこえ、雪深い竹林へとわけいる。

果たして竹の子は?!!あるわけがない。

がっくりとうなだれる孟宗。

母のことを思い、孟宗はその場で泣きだすのです。

するとその涙の落ちた雪の表面が溶け出し、地面がみえ、土がもりあがってくる!!

不思議に思い、掘ってみると竹の子が鈴なりに出てくる。

孟宗は喜んでその竹の子を持ち帰り、母親に食べさせた。

すると母親の病は治り、元気になった。

母が竹の子を食べ元気なったことは近所はもとより、呉の国でも評判になった。

親孝行な孟宗にちなみその竹の子を出す竹林は孟宗竹と呼ばれるようになった。

                      

母親おもいの孟宗は呉で出世した実在の人物である。

まだ、GWでも大原野には孟宗竹の竹の子がでている。

孟宗にあやかるわけでないが、

母の日に竹の子を贈ることにした。

莞鳴

春 花便り 2

今年のソメイヨシノの桜は長く楽しめた。

4月の半ば過ぎても散らずに残っていたのだから。

                          

しばらくすると大原野の里に八重桜が咲いてきた。

                        

私はこの八重桜の頃が春のなかで好きだ。

竹の子もすくすく大きくなり、若葉も青々として風も爽やかだからだ。

生命の息吹が肌で感じられ、まさに春の盛りでないかと思う。

                    

いにしへの 奈良の都の八重桜

けふ九重に にほひぬるかな

                    

伊勢大輔の歌である。詠ったのは京都の宮中(=九重)。しかも、宮中に上がりたての頃。

まさに新入社員の初仕事のデビュー曲。

緊張の中のひらめきに大先輩の紫式部もびっくりしたに違いない。

小生の若葉マークの頃を思い出し、頭が下がるおもいがした。

              

莞鳴

たけのこの敵は?

男子は外に出れば、7人の敵あり。とありますが、

たけのこ(筍)にも外敵がいます。

猪です。

猪はエサをもとめ、竹林に入り、地中深くほり、竹の子を食べます。

食べるというより、食べ散らかすといった状態で、竹林農家は唖然となります。

今年は特に被害が多く、竹林農家の方は嘆いておられます。

当然、山側の竹林には防御のための鉄線をしてあるのですが、猪は隙を見つけて侵入してきます。

猪突猛進ばかりでなく、かなり頭がいいようです。

いい竹の子ばかり食べられるので、農家の方もカンカンです。

地元の猟友会の方に仇討ちをお願いしたそうです。

莞鳴

たけのこ殿!!いざ勝負!!

美味しい竹の子の秘密

先代の亭主に色々と竹の子や竹やぶについて教えてもらったが、

先代が天国に召されたあと、

私は竹林農家の方にいろいろと学ぶようになった。

もちろん、先代の亭主の知己の方がほとんどだ。

マスコミで竹の子の美味しさをPRする番組はあるが、

うわべだけで本当の美味しい理由を報道する番組はない。

多くの方は白子なら一番と思っているようだが、

一概にそうとはいえない。

たくさんの必要条件のなかで、産地の土質を第一に挙げるべきであると竹林農家の方はいう。

なぜ、京都の西山の竹の子が良質なのか私も取材してみた。

この辺りには石灰質の粘土の土壌が多い。

同じ竹林農家でも竹やぶの土壌の違うことを知った。概ね粘土質のやぶの竹の子は出荷するといい値段がつくという。

粘土にも種類があり、先に述べた白や赤、青とある。

青色や白はとくに良い土質だ、赤は山土が混ざったものでランクはさがる、砂地の土壌の竹やぶからでたものはいくら白子でも甘みがないと言われる。

逆に青色や白の粘土質からでたものは白子でなくても甘くて美味しい。

取材をすすめていくうちにマスコミの情報だけを信じているとだめだなぁと改めて思った。

莞鳴

石灰質の粘土

春の花便り

乾いた竹やぶに春のシャワーがあった。

昨日の祈りが通じたか。

雨を待っていたのは竹の子だけでない。

草花も待ちわびていた。

椿も雨を喜んでいるようだ。

春の雨は私の心にも潤いをあたえてくれる。

莞鳴

木の芽の緑がみずみずしい

「雨の慕情」か「雨に唄えば」?

八代亜紀さんの唄に「雨の慕情」があります。

竹林がカラオケで歌えるなら、今はこの唄を選曲するでしょう。

そろそろ、京都の竹やぶも乾いてきました。ひと降りお願いしたいところ。

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